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フリーランスと会社員の違いって何があるんだろう?
今回はそんな疑問にお答えします。
- フリーランスと会社員の違いを
・収入
・働き方
・社会保険
・税金
・社会的信用
5つの面から徹底比較
こんにちは、おっくそです。
「フリーランスと会社員の違いって何があるんだろう?」
フリーランスに興味を持ち始めると気になりますよね。
フリーランスと言えば、「収入」や「働く場所の違い」がよく話題に上がりますが、会社員との違いはそれだけではありません。
ちゃんとフリーランスと会社員の違いを把握しておかないと、フリーランスになる準備すらできませんよね。
本記事ではフリーランスと会社員の違いについて、5つの観点から網羅的にご紹介。
- 収入
- 働き方
- 社会保険
- 税金
- 社会的信用
すでにあるネット上の情報だけでなく、実際に会社員からフリーランスのITコンサルになった僕が、ITコンサル目線でも記載しています。
最後まで読んでいただければ、会社員からフリーランスになった時に「何がどのように変わるのか」イメージが湧くと思いますのでぜひご覧ください。
【著者プロフィール】
・新卒から勤務していたアクセンチュアを退職しフリーランスとして2022年に独立
・フリーランスのITコンサルとして案件を受けている
収入面の違い
まずは1番気になる「収入」について、フリーランスと会社員の違いをご紹介します。
結論から申しますと、基本的にはフリーランスの方が収入が高くなりますね。
では、なぜフリーランスの方が収入が高くなるのか。
それはフリーランスの方が価値が高いからではありません。
フリーランスと会社員における収入の構造的な違いがあるから、フリーランスの方が収入が高くなります。
収入の構造的な違いというのは、何を指しているかというと、会社に入るお金があるかどうかです。
会社員の場合、研修費用や福利厚生、採用費用やオフィスの維持費、将来の投資など、会社のための費用が抜かれているわけです。
ITコンサルというのは、発注元に対して人月単価で請求するのが一般的。
例えばITコンサル会社があなた1人に対して200万円/月という仕事を取れたとします。
ですが、この200万円がすべてあなたに入るわけではありません。
ここから会社側に抜かれて、残った金額があなたの給料になりますよね。
ですがフリーランスになれば、200万円まるまる収入になるわけです。
ただし厳密に言えば、フリーランスとして会社員と同じ単価(200万円/月)では仕事は取れません。
200万円/月の仕事がないと言っているのではなく、200万円/月の会社員と同じ仕事をフリーランスが取るとしたら200万円/月より下がるということです。
もしくは会社員と同じ仕事をフリーランスだと取れない場合もあります。
200万円というのは会社という信用のもとに成り立つ金額なので、フリーランスの場合は仕事を取れる金額が下がるということです。
フリーランスとして120万円/月の仕事が取れたとすると、下図のような関係になります。(青色部分が自分に入ってくる部分)
この構造上の違いから、どうしてもフリーランスのほうが収入として高くなります。
では、どれだけ高くなるのか。
フリーランスエージェントに「フリーランスになった時の単価ってどれくらいが目安なんですか?」と聞いたことがあります。
会社員の給料 × 1.2 = フリーランスになった時の単価目安
答えは、「会社員の給料 × 1.2」とのことでした。
つまり会社員の給料が100万円だった場合、フリーランスになった時の単価は120万円が目安になるということ。
フリーランスの収入をイメージするのに参考にしてみてください。
(あくまでもいちエージェントに聞いた時の回答であり公式な情報ではないのでご了承ください)
働き方の違い
続いて、「働き方」の違いについて見ていきましょう。
会社員とフリーランス、それぞれ特徴があるので自分に合っているのはどちらの働き方なのか考えてみてください。
会社員の働き方
会社員は基本的に雇用されている立場ですよね。
なのでお給料という定期的な収入があります。
日本においてはクビになることはほとんどないので、とても安定的な収入になりますよね。
また教育という恩恵を受けることができるのも会社員の特徴です。
研修制度だけでなく、上司や現場の先輩から業務について教えてもらうことができるのは会社員の特権と言えるでしょう。
また会社に所属することで、大きな仕事(大企業相手の仕事や、金額が大規模な仕事など)ができます。
これは会社の名前を借りているからこそできることです。
一方で会社組織に所属することで、組織に関する仕事も発生します。
例えば部下の評価や社内イベントに関する作業など、会社の中にいることで発生する業務がありますよね。
会社員の働き方は一般的に知られているのでイメージはしやすいのではないでしょうか。
フリーランスの働き方
フリーランスは誰かに雇用されているものではありません。
基本的に業務に対する委託契約を結んで仕事をすることになります。
契約ごとに仕事することになるので、契約がなければ収入が発生することはありません。
また会社のような組織があるわけではないので、研修や教育を受ける機会は外部のイベント等に出ないと受けられないでしょう。
社名を借りている会社員と比べると、大規模な仕事をするチャンスは少ないですが、自分ひとりの力(スキルや信用)で仕事を取ることで、自信にも繋がる側面がフリーランスにはあります。
また社内作業や組織内作業といった本業以外の作業は全くないので、本業に集中することができると言えますね。
社会保険の違い
3つ目は「社会保険」について。
会社員の方にとっては、最も分かりづらい部分というか意識したことがない部分になると思いますが噛み砕いて説明していきます。
まず社会保険とは、以下5つの保険の総称です。
- 医療保険
- 年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 介護保険
僕らが病院で保険証を見せている①医療保険や、将来のために払う②年金が含まれていますね。
⑤介護保険については、①医療保険に含まれているので省略することにします。
介護保険とは高齢者や介護が必要な人の対して保障する制度で、40歳以上の人は全員加入する必要があります。こちらは医療保険に含まれる形で徴収されますので、40歳を越えると急に医療保険料が上がったと思う人も多いでしょう。65歳以上になると年金から天引きされるということも覚えておきましょう。
https://nomad-journal.jp/archives/6978
①医療保険
まず医療保険の話をします。
医療保険とは、病院で保険証を見せるアレです。
病院代が3割負担でよくなるアレです。
この医療保険でどういう違いが出るのか。
簡単なところだと以下のような違いがあります。
会社員 | フリーランス | |
---|---|---|
入る保険の種類 | 健康保険 | 国民健康保険 ※任意継続や国民健康保険組合という選択肢もあり |
保険料 | 会社側と折半 | 全額自費 |
会社員が入るのは「健康保険」、フリーランスが入るのは(一般的には)「国民健康保険」となります。
「健康保険」と「国民健康保険」、名前が似ているので同じものに思えますが別物です。
保険料についてですが、会社員の場合は実は会社と折半しているのです。
つまり月4万円払う必要があるとしても、会社と自分で2万円ずつ払うということ。
フリーランスになると折半してくる人はいないので、自分で全額払うことになります。
またフリーランスの場合は必ず「国民健康保険」というわけではなく、「任意継続」や「国民健康保険組合」という選択肢もあります。(ややこしいですよね)
参考サイトを載せておきます。
ちなみに僕はフリーランスになる時に「任意継続」を選びました。
これは簡単に言うと、会社員時代に入っていた「健康保険」にフリーランスになってからも継続して入りますよということ。
フリーランスになる時に、国民健康保険に入った方が安いのか、任意継続した方が安いのかを比較して決めてください。
僕の場合は国民健康保険よりも任意継続の方が3万円ほど安かったです。
では「国民健康保険組合」とは何かというと、特定業種のフリーランスであれば入れる保険組合のことです。
ただITコンサルは対象外のようなので詳細は割愛します。
会社員が入る「健康保険」とフリーランスが入る「国民健康保険」の内容はどう違うのか。
分かりやすい図を載せておきます。
会社員が入る健康保険の方が、出産手当金や傷病手当金がもらえることが分かります。
また扶養にも差があります。
国民健康保険の場合は、扶養という概念がないので家族の分の保険料もかかってきます。
仮に僕のように妻を扶養している場合、会社員時代は自分の分だけの保険料でしたが、国民健康保険の場合は妻の分の保険料もかかってくることになります。
会社員の方が手厚いのが分かりますね。
②年金保険
続いて、年金についてです。
会社員 | フリーランス | |
---|---|---|
入る保険の種類 | 国民年金(第2号被保険者)と厚生年金 | 国民年金(第1号被保険者) |
保険料 | 会社側と折半 | 全額自費 |
年金も医療保険と似ていますね。
ただフリーランスの年金の場合は、医療保険の時のような他の選択肢がないので、国民年金に入ることになります。
そもそも国民年金はすべての国民が入ることになっていて、会社員の場合はそれに上乗せする形で厚生年金にも入ることになります。
会社員が負担する保険料は多いですが、医療保険と同じく半額は会社が負担してくれます。会社が保険料を折半してくれるうえ、将来は国民年金より手厚い保障が受けられるのです。
https://goworkship.com/magazine/freelance-employee/
会社員の方が、2種類の年金に入ることになるので手厚くなるのです。
会社も負担してくれますし。
医療保険と同様に、年金保険も会社員の手厚さを感じますね。
また扶養についても医療保険と同様でして、フリーランスになると扶養という概念がなくなります。
僕のように妻を扶養している会社員がフリーランスになった場合、扶養している人(妻)の分も払う必要が出てきます。
国民年金の分類が変わるんですよね。
会社員の場合、会社員本人は第2号、その扶養している妻は第3号です。
しかし会社員がフリーランスになると、フリーランス本人は第1号、その妻も(扶養という概念がなくなり)第1号となるのです。
2人の第1号被保険者の分が保険料として必要になってくるというわけですね。
③雇用保険
雇用保険はシンプル。
会社員の場合は雇用されていることになるので、失業した場合の給付などがありますが、そもそもフリーランスは雇用保険自体に入れないです。
雇用保険は、労働者が失業して所得がなくなった場合に失業給付を支給し、生活の安定や再就職促進を図る保険です。
正社員/パート/アルバイトなどの雇用形態を問わず、「31日以上の雇用見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上」であれば加入義務が生じます。
しかし、フリーランスは雇用される立場ではないため、雇用保険に加入することも、失業保険を受給することもできません。
https://goworkship.com/magazine/freelance-employee/
④労災保険
労災保険も、雇用保険のように会社員だけが対象となっていたのですが、、、
労災保険は、仕事中や通勤中のケガ/病気/死亡などに対して保障がおりる保険です。たとえば、仕事中に階段で転んでケガを負った場合は、健康保険ではなく労災保険の対象になります。
労災保険の適用者は、会社員やパート、アルバイトなどが対象ですが、フリーランスは原則対象外となっています。また、労災保険は、保険料の全額を企業が負担してくれるため、会社員が支払う費用はゼロです。
https://goworkship.com/magazine/freelance-employee/
2021年9月にITフリーランスを対象とした国の労災保険の特別加入制度がスタートしたんです。
これによってITフリーランスは労災保険に入れるようになりました。
保険料はかかりますがフリーランスも労災保険に入れる(仕事中のアクシデントから守ってもらえる)ことになるので、この制度は嬉しいですね。
税金の違い
4つ目は「税金」についてです。
ここでは所得税と住民税について書いています。
会社員の場合、所得税も住民税も給料から天引きされるのが一般的。
ですがフリーランスの場合は、基本的には収入から天引きされることはありません。
またフリーランスの所得税は、得た収入だけでなく、経費の計算などを行なって初めて、所得税が決定します。
なので会社員よりもフリーランスの方が、自身の税金についての作業が増えることになりますね。
社会的信用の違い
最後に「社会的信用」について書きます。
フリーランスというのは社会的信用がゼロに等しいです。
収入が安定していないと判断されるからですね。
それに比べて会社員は収入が安定しているので、社会的信用があるわけです。
そのため社会的信用が必要なクレジットカードや家の購入(ローン)は会社員の時にしておくべきと言われます。
家の購入だけでなく賃貸の引越しも同様で、自身の収入が判断されるものは影響を受けるでしょう。
クレジットカードやローン契約は会社員のうちに手続きしておくことをおすすめします。
フリーランスに転身直後は、仕事の実績がないため収入が安定していないと判断されてクレジットカードやローンの審査に通過しにくいと言われています。社会的信用を得るまでに時間がかかる場合もありますので、大きな買い物でローン契約が必要な場合や、新しいクレジットカードを申請する場合は、会社員のうちに済ませておきましょう。
https://doda.jp/engineer/guide/qa/019.html
まとめ
会社員とフリーランスの違いについて、「収入」「働き方」「社会保険」「税金」「社会的信用」の5つの観点でご紹介しました。
ざっくりまとめると以下の表の通り。
収入 | 会社に入る分がないためフリーランスの方が高くなる |
働き方 | 会社に所属するかしないかによって変わる |
社会保険 | 会社員の方が待遇が厚い |
税金 | 会社員は天引き、フリーランスは自身で管理 |
社会的信用 | 会社員は会社の信用がある、フリーランスの社会的信用はゼロ |
この表だけだと会社員の方がよく見えるかもしれないですが、最後は「自分に合うのはどちらなのか」ということ。
自分がどうなりたいか、どんな生活を送りたいか、自分の性格と合っているのはどちらか。
フリーランスになろうか悩んでいる人はぜひ考えてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。