サッカー選手に多いグロインペイン(鼠蹊部痛)症候群を自分で治した体験談

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おっくソ

こんにちは、おっくソです。

僕はサッカーを10年以上続けてきて、ある怪我で半年以上サッカーができない時期がありました。

その怪我とは、「グロインペイン(鼠蹊部痛)症候群」です。

※鼠蹊部は「そけいぶ」と読みます。

 

鼠蹊部の英語がグロイン(groin)、痛みの英語がペイン(pain)なので、日本語で鼠蹊部痛症候群と言ったり、英語でグロインペイン症候群と言ったりします。

このページでは「グロインペイン症候群」と統一して書くことにします。

 

僕はこのグロインペイン症候群に大学2年生の時になりました。

もちろん病院にも通い、CTやMRIを撮り、超音波治療やマッサージを受けましたが治りませんでした。

挙げ句の果てには、医者から「手術しか治らない」とまで言われました。

 

しかしあることがきっかけで治りました。

というより自分で治しました

 

このページでは、僕が自分でグロインペイン症候群を治した体験をもとに、グロインペイン症候群の原因と適切な治療法をご紹介します。

僕と同じように病院に通っても治らない、グロインペイン症候群が原因でサッカーができない人が1人でも減れば嬉しいです。

グロインペイン症候群とは

グロインペイン症候群の症状

まずグロインペイン症候群とは何かをご説明します。

調べてみると以下のように出てきました。

圧痛、運動痛、時に鼠径部や大腿内側(内転筋付着部)、下腹部にまで放散する疼痛が特有です。慢性化すると鼠径部が常に痛みます。特に下肢を伸展して挙上、外転する動作で誘発されやすく、股関節の可動域制限、筋力低下が見られます。
グロインペイン症候群の疼痛領域
鼠径周辺部痛症候群(グロインペイン症候群)| ZAMST

難しい言葉が並びましたが、特徴的なのは図で示している痛みが発生する領域です。

痛みが出る領域がとても広範囲にあることが分かります。

 

僕の場合、内転筋と下腹部に痛みを感じました。

内転筋とは脚を閉じる動きに使われる筋肉であり、サッカーでのインサイドパスでも使われる筋肉です。

また僕が痛みを感じた下腹部とは、腹筋の下の方を指します。

サッカーをしている人に発症しやすい

もう少しグロインペイン症候群を調べてみるとサッカーをする人が発症しやすいという情報が出てきます。

サッカーが好発で大半を占め、陸上競技中・長距離、ラグビー、ホッケー、ウェイトリフティングなどで20歳前後の男子選手に多く発生します。
鼠径周辺部痛症候群(グロインペイン症候群)| ZAMST

グロインペイン症候群は10代~30代の、主にサッカーをやっている人に発症しやすい障害です。
グロインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群)医科学コラムNo.16(2016年11月)

サッカーは鼠蹊(そけい)部を主に使うスポーツであるため、グロインペイン症候群になりやすいようです。

長谷部も苦しむグロインペイン症候群 その発症のメカニズムと治療法とは」にもあるように、長谷部誠、中村俊輔、中山雅史、中田英寿のようにサッカー日本代表レベルの選手たちも苦しんだ症状です。

グロインペイン症候群の原因と一般的な治療法

グロインペイン症候群の原因

体幹から股関節周辺の筋や関節の柔軟性(可動性)の低下による拘縮や骨盤を支える筋力(安定性)低下による不安定性、体幹と下肢の動きが効果的に連動すること(協調性)が出来ず不自然な使い方によって、これらの機能が低下し、痛みと機能障害の悪循環が生じて症状が慢性化していきます。
何らかの原因で可動性、安定性、協調性に問題が生じたまま、無理にプレーを続けると、体幹から股関節周辺の機能障害が生じやすくなります。
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)| 日本整形外科学会

下肢の外傷後や体幹から股関節にかけてスポーツによる使い過ぎなどによって筋力低下や柔軟性低下、拘縮が起こり、それが鼠径部周辺の痛みとなると思われる。
キック動作やランニングやなどの繰り返しの運動によって、鼠径部、股関節周辺、骨盤にメカニカルなストレスが加わって炎症が生じ、痛みとなります。タックルなどで直接股関節周辺に打撲を受けた場合でも発生します。
鼠径周辺部痛症候群(グロインペイン症候群)| ZAMST

グロインペイン症候群の原因は、上記で書かれている通りです。

簡単にまとめると、以下2点と言えます。

  • 鼠蹊部周辺の筋肉の使いすぎによる炎症
  • 鼠蹊部周辺の筋肉の柔軟性低下や拘縮(筋肉が持続的に収縮すること)

 

つまり筋肉自体が炎症を起こしていて痛むパターンと、炎症は起きていないけど筋肉の柔軟性低下などが原因で痛むパターンがある。

おっくソ

ちなみに詳細は後述しますが、僕のグロインペイン症候群の原因は後者の”炎症は起きていないけど筋肉の柔軟性低下などが原因で痛むパターン”でした。

グロインペイン症候群の一般的な治療法

急性期例や発症後半年以内例では、保存療法が第1選択です。疼痛が強い場合は、約2週間のスポーツ休止が必要です。疼痛部位の局所安静(ランニング、キック禁止)、アイシング、時に温熱療法(ホットパック)、消炎鎮痛剤投与、ステロイドホルモンの局所注射(多用は避ける)などが用いられますが、長期的には運動療法が奏功します。
初期のリハビリテーションは股関節の外転可動域訓練、筋力強化、内転筋のストレッチングから開始して水中歩行、エアロバイクによる免荷訓練、その後ジョギング、2ヵ月でボールキック練習を行います。疼痛が消失したからといって、いたずらな早期復帰はかえって再発を繰り返します。慢性化すると長期間(2~3ヵ月以上)スポーツ休止を余儀なくされるので注意を要します。
鼠径周辺部痛症候群(グロインペイン症候群)| ZAMST

グロインペイン症候群には決定的な治療法はありません。とりあえずは安静が一番ですが運動を再開するとまた同じ症状が現れてくることもあります。グロインペイン症候群は鼠径部周辺への筋力の低下を伴いますのでそれを改善しない状態で、再度、ボールを蹴ったりする動作を行なうと筋肉が負荷に耐えられないために、痛みが復活しやすくなるのです。従って、電気治療、マッサージ、ストレッチだけでは不十分で体幹の筋肉を強化するリハビリが必要となってきます。それも可動性・安定性・協調性の問題点を評価した上で、それを修正するアスレティックリハビリテーションを行っていくのが良いとされています。
グロインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群)医科学コラムNo.16(2016年11月)

グロインペイン症候群の一般的な治療法は上記の通りです。

簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 急性(痛みがで始めた初期)の場合は冷やす・休む
  • リハビリとして、マッサージ・筋トレを行う

おっくソのグロインペイン症候群が治った経緯と実際の治療法

ここで僕の事例にフォーカスさせてください。

事例とともに治療法も書いていきます。

病院の治療では治らなかった

僕のグロインペイン症候群の症状と通院時の状況は以下の通りでした。
・内転筋、腹筋下部に痛みがあった
・数ヶ月サッカーを休んでも治らない

痛みを感じ始め、サッカー部の練習をしばらく休みました。

そして病院で湿布をもらい、電気マッサージ治療や超音波マッサージ治療を行いました。

医者からはいつも治療後に「よしこれでもう少し様子を見ようか。」と言われ、「いつまで様子見るんだよ」と怒りがこみ上げていました。

レントゲン、CT、MRIも撮りましたが、だからといって治療内容がガラッと変わるわけではなく月日だけが過ぎて行きました。

ちなみに
撮ったMRIでは、内転筋の恥骨付着部に骨融解像が確認できました。内転筋に引っ張られ恥骨が溶けたような感じです。これは恥骨結合炎の症状でもあります。

発症から約半年が経った、ある日の風呂場

発症から約半年が経ったある日のことでした。

場所は風呂場でした。

僕は風呂場で脚の筋肉をマッサージしていました。

ある瞬間に激痛が走りました。

おっくソ

“マッサージをして激痛が走る” = “それだけ筋肉が固まっている”ということです。

僕は風呂場で激痛ポイントを、これでもかというくらいマッサージをし、筋肉をほぐしました。
次の日、マッサージをした筋肉の部位に筋肉痛がありました。
その筋肉痛が治ったら、また風呂場で同じ箇所をマッサージしました。
これを1週間ほど続けると、激痛が走っていた場所の筋肉はほぐれていました。
つまりマッサージをしてもほぼ痛みがなくなりました。
そして試しにボールを蹴ってみると痛みは消えていました。

おっくソのグロインペイン症候群の原因は想定外の筋肉だった

ある日突然治った僕のグロインペイン症候群ですが、決して痛みがある筋肉の部位をマッサージしたわけではありませんでした。

治った今、僕の症状が治らなかった原因を考察してみます。

慢性的な症状
病院に行き始めた時、慢性的に筋肉が固まっていた
僕が病院に行き始めたのは、急性的に炎症が起きていた頃ではなく、慢性的に筋肉が固まっていた頃でした。

痛みが出始めた頃は市販の湿布を貼ったりアイシング(患部を氷などで冷やすこと)したりしていました。

そのため炎症は治っていました。

病院での治療
効果が出ない不適切な治療
慢性的に筋肉が固まっていた頃に病院に行き始めました。

そこで受けた治療はマッサージや電気マッサージ治療、超音波マッサージ治療などの筋肉をほぐす治療でした。

治療の方針としては正しいのかもしれないですが、僕のグロインペイン症候群は治りませんでした。

原因の根絶
想定外の部位の筋肉が固まっていた
僕のグロインペイン症候群が治ったのは、風呂場でマッサージをしたからでした。

ただしそのマッサージをした部位が重要です。

僕のグロインペイン症候群で痛みが出たのは、下の画像ので囲った内転筋あたり。

一方で風呂場でマッサージを行なったとき、激痛が走ったのはオレンジで囲った腸腰筋あたりです。(筋肉が固まっていた部分)
風呂場でマッサージした部位と病院で治療を受けた部位の画像

病院で治療を受けていたのは主に痛みが出ていたの部分。
治療によってほぐすべきだったのはオレンジの部分。

僕のグロインペイン症候群が病院の治療では治らないのは明らかです。

ですがこの事は中々気づかれないと思います。

 

なぜならそもそもオレンジの部分は痛くないからです。

マッサージをして初めて痛みを感じました。

おっくソ

本当のことを言うと、風呂場である姿勢の状態でマッサージをして初めて激痛が走りました。例えば普通に立った姿勢でマッサージをしても痛くありませんでした。おそらく姿勢によって固まった筋肉が表面に出てきたと思われます。

 

なぜそもそも緑の部分に痛みが出たのか?

それはカチカチに固まってしまったオレンジの部分をの部分がかばっていたからです。

本来オレンジの部分が担うべき動きを、の部分が代わりに担っていたということです。

それによりの部分に負荷が集中し、痛みが出ていたのです。

完治
オレンジ部分のマッサージを継続
オレンジの部分へのマッサージを継続することで、オレンジの部分の筋肉がほぐれました。

オレンジの部分を強くマッサージしても痛みがない = ほぐれた」と言えます。

その状態でサッカーボールを蹴ったり走ったりしても痛みはなく、僕を長期間苦しめたグロインペイン症候群はあっさり治りました。

治ったという結果からも、緑の部分ではなくオレンジの部分が原因の根源だったことが分かります。

結論:グロインペイン症候群の原因を掘り下げて治療をすべき

グロインペイン症候群の一般的な治療法については上で紹介しました。

ですがその治療を病院で受けたにも関わらず、僕の症状は治りませんでした。

その原因は何だっかというと、痛みが出ている部位とは異なる部位の筋肉でした。

グロインペイン症候群の原因は以下のように知られているわけです。

下肢の外傷後や体幹から股関節にかけてスポーツによる使い過ぎなどによって筋力低下や柔軟性低下、拘縮が起こり、それが鼠径部周辺の痛みとなると思われる。
キック動作やランニングやなどの繰り返しの運動によって、鼠径部、股関節周辺、骨盤にメカニカルなストレスが加わって炎症が生じ、痛みとなります。タックルなどで直接股関節周辺に打撲を受けた場合でも発生します。
鼠径周辺部痛症候群(グロインペイン症候群)| ZAMST

「拘縮」とは筋肉の持続性収縮、つまり継続的に固まることをさします。

まさに僕の原因と言えます。

ただしその拘縮した筋肉は、痛みが出た部位ではないということが重要です。

なぜそこに痛みが出るのか、それを掘り下げるべきだと思います。

必ず原因がどこかにあります。

最後に

グロインペイン症候群は多種多様な原因と症状があるからこそ“症候群”と呼ばれています。

グロインペイン症候群には決定的な治療法はありません。
グロインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群)医科学コラムNo.16(2016年11月)

3年前の記事ですら、このように「決定的な治療法はありません」と書かれているわけです。

今回紹介したのはあくまでも僕の事例ですが、グロインペイン症候群の治療のヒントになると思います。

現在グロインペイン症候群になっている人は、自分の鼠蹊部をマッサージしてみてください。

いろんな部位をいろんな角度からいろんな姿勢で揉んでみてください。

もし激痛が走るポイントがあればそこが原因かもしれません。

 

サッカーだけではないですが、スポーツを本気でやっていて怪我で長期間休むのは地獄です。

この記事によって、誰かの休む期間が少しでも短くなることを祈ります。

では今回はこの辺で。