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おっくそ
IT業界は日々の進歩やトレンドの移り変わりが激しい業界です。
そんな中で2019年4月18日、アクセンチュアが新たなテクノロジートレンドを発表しました。
「ポストデジタル時代は「DARQ」が差別化要因に–アクセンチュアが技術トレンド」
それは「DARQ(ダーク)」です。
響きはかっこいいですが、「DARK(暗い)」ではなく「Q」が使われているのが不思議に感じるかもしれません。
このトレンドは主に企業向けであり、このトレンドに乗らないと「他者との差別化を優位に進められない」、「デジタル化の先駆者になれない」というもの。
要するに、「このDARQの波に乗らないと時代遅れになるよ」ということです。
ではそもそもDARQとは何なのか。
実はDARQは、4つの言葉の頭文字。
では「D」「A」「R」「Q」それぞれ何の言葉の頭文字なのか、そしてそれらは何を示しているのか。
具体的に分かりやすく解説していきたいと思います。
ちなみにこの記事の目的は、読んだ人に「DARQって何のことなのか」を知ってもらうことです。
「テクノロジートレンドのDARQって知ってる?」という話題になったときに、「あれとあれと、あれとあれのことでしょ?」と答えられるレベルにはなります。
その程度で全く問題ありません。
あくまでもトレンドなので、話についていけることが重要であり、中身を深く知るのはその後でOKです。
まずは知るところから。
DARQ(ダーク)とは?
冒頭でDARQとは4つの言葉の頭文字であることを紹介しました。
それぞれのアルファベットが何を指すのか順番に説明していきます。
D: Distributed Ledgers (分散型台帳)
DはDistributed Ledgers (分散型台帳)のDです。
分散型台帳と言われると聞き慣れないかもしれませんが、ブロックチェーンと言われると「あー、はいはい」と思う人もいると思います。
ビットコインなどの仮想通貨を支える技術ですね。
分散型台帳技術を簡単に説明すると、「誰が・いつ・どんな情報を台帳に書き込んだのか」というデータを複数のシステムで共有する技術です。
ここで台帳と言っているのは、↓のように実際の台帳のイメージでデータが作られでいくからです。
例えばビットコインを考えると、「AさんがBさんに10ビットコイン渡した」というデータが台帳データベースに作られ、このデータが複数のシステムで共有されます。
分散型の反対は、集中型です。
集中型とはデータがある特定のところで集中管理されることを指します。
今のシステムのほとんどは集中型でしょう。
分散型の特徴としては「取引の透明性や監査のしやすさ、データ共有のしやすさ」が挙げられます。
ビットコインなどの仮想通貨で「改ざんされにくい」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
それはデータが分散して保持されているため、仮に1箇所を改ざんしても他の箇所と比較することで改ざんが見つけることができるからです。
電子決済や仮想通貨が発達してきた現代において、この分散型台帳技術は非常に重要になることは間違いないでしょう。
聞き慣れない言葉ですが、ブロックチェーンと一緒に覚えてしまえば問題ないかと思います。
こちらの「ブロックチェーンとは何か」という記事では、以下のように紹介されていますが、「DARQのDはブロックチェーンのことね」と思ってもらってよいです。
ブロックチェーンと呼ばれる技術は、大きく見ると「パブリックブロックチェーン」と「分散型台帳技術(DLT)」に分類されます。
A: Artificial Intelligence (人工知能)
AはArtificial Intelligence (人工知能)のAです。
いわゆるAIであり、DARQの中でもっとも知名度のある言葉ではないでしょうか。
ロボットやチャットボットなど、すでにAIが組み込まれている製品やサービスも多く出ています。
逆にAIを使いこなせないと、時代から取り残されていくでしょう。
R: Extended Reality (拡張現実)
RはExtended Reality (拡張現実)のRです。
「頭文字じゃないじゃん」とツッコミを入れたくなりますが、このRが指しているのはARやVRなどの総称であるxRです。(xはいろいろ入るということです)
「VR・AR・MR・SRの違いとは?それぞれの活用方法を紹介」
有名なVRやARの他にも種類がありますが、要は現実を拡張する技術のことです。
人間がヘッドセットを付けて仮想世界を体験するのもそうですし、ポケモンGOのように現実を拡張し仮想世界を作るのもそうです。
有名なところでいくと、マイクロソフトが作っているホロレンズという製品です。
例えば工場で、製品の組み立て方や修理の仕方などを、ホロレンズを通して新人に教えることだってできます。
Q: Quantum Computing (量子コンピューティング)
QはQuantum Computing (量子コンピューティング)のQです。
まだまだ研究段階なのが、この量子コンピューティングです。
実用化が進みつつありますが、課題も多く実用環境が限られているのが現状です。
ただし実用化が加速すれば、産業革命になると思います。
これまでのコンピュータは「0と1(電気が流れるか流れないか)の2つ状態」によって計算していましたが、
量子コンピュータは「0でもあり1でもある状態」によって計算できます。
詳細な原理は量子力学の世界になるので割愛しますが、量子のレベルだからこそ実現できる計算原理になります。
そして量子コンピューティングの何がすごいかというと、考えられないほどの計算スピード。
「スパコンで8億年かかる計算を1秒で解く富士通の「デジタルアニーラ」」の記事ではタイトル通り、驚異的な計算スピードが紹介されています。
SMAC(スマック)からDARQ(ダーク)へ
今回の新たなテクノロジートレンドとして、DARQ(ダーク)が発表されましたが、その以前はSMAC(スマック)というものがありました。
このSMACの後に出てきたのがDARQなのですが、そもそもSMACは何なのか。
SMACもDARQ同様に4つの言葉の頭文字の集合です。
- S: Social (ソーシャル)
- M: Mobile (モバイル)
- A: Analytics (アナリティクス)
- C: Cloud (クラウド)
SNSを代表とする、ソーシャルネットワークのこと。
急激に発展したスマートフォンによる、ITサービスのモバイル化。
データを集めるだけでなく、分析を行う重要性。
オンプレミスではなく、クラウド基盤上でサービスを提供する。
ちょうど3年前の僕が就活生だった頃、IT企業の企業説明会にてSMACが紹介されていたのを覚えています。
あれから3年で時代は変わりました。
たった3年でIT業界は変わります。
SMAC(スマック)がなくなるわけではない
「SMAC(スマック)からDARQ(ダーク)へ」という話をしましたが、決してSMACがなくなったというわけではありません。
むしろSMACがあってこそのDARQです。
ソーシャル・モバイル・アナリティクス・クラウド、これらが現代において主役となっているのは分かると思います。
ほとんどの人がSNSをやっていて、インターネット上で誰かしらと繋がっている。
おじいちゃん・おばあちゃん世代ですら、スマートフォンを持つようになり、個人がハイスペックなコンピュータを所有するようになっている。
スマートフォンや、張り巡らされたネットワークからの膨大なデータを分析することにより、世の中の動向が分かるようになった。
企業がAWS・GCP・AZUREをはじめとするクラウドサービスを利用するだけでなく、個人すらもバックアップのためなどにクラウドを使用している。
どうしてDARQという新しいトレンドが出てきたかというと、それまでのトレンドだったSMACが当たり前になったからです。
そしてこのDARQは”SMACがある前提”でのトレンドです。
まだSMACの波にすら乗れていない企業は、確実に時代遅れと言えます。
今の時代にガラケーを使っているようなものです。
一昔前UberやAirbnbが新しいビジネスモデルとして有名になりましたが、今や当たり前。
DARQという新しいトレンドが明確になった今、この波に乗れない企業は潰れていくでしょう。
最後に
今回はDARQ(ダーク)という最新テクノロジートレンドをご紹介しました。
- D: Distributed Ledgers (分散型台帳)
- A: Artificial Intelligence (人工知能)
- R: Extended Reality (拡張現実)
- Q: Quantum Computing (量子コンピューティング)
この内容は「今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらす重要なテクノロジーのトレンド」として発表されたので、今後数年間はこのトレンドは大きく変わらないと思います。
個人的にはDARQの中でも特に、Qの量子コンピューティングにわくわくしています。
研究開発がどんなスピードで進んでいくのか、実用化はいつになるのか、とても楽しみです。
では今回はこの辺で。